品川駅から徒歩5分のオフィスビル1階にあるレストランの改修。

居住者も多い港南4丁目側から品川駅に向かって御楯橋を渡るとガラスカーテンウォール越しに厨房が見え、その厨房が中心となり活気に溢れるお店となるように考えた。

鉄とガラスとコンクリートの整然としたオフィスビルの中にありながらも、自然な形状をもった無垢の木や質感をもった左官や布などの素材を使うことで光や音を吸収し、落ち着ける空間とした。厨房前にあるトチ一枚板のカウンターと大理石の骨材が入った左官の垂れ壁が舞台の額縁のようになり、中で働く料理人たちを際立たせている。

光・音・空気・素材をちょうど良い肌理の粗さに整え、視覚だけでなく聴覚、嗅覚、味覚、触覚といった五感すべてに響き、様々な個性をもった料理人たちが生み出すその時々の旬な料理を味わえるレストランである。