多様な行為を許容する汀的広場
大人だけでなく子どもも日常的に遊びに来て、各々が時間と場所を共有しつつも好き勝手に時間を過ごすことができ、多様な行為を許容する広場のような空間を目指した。
「あらゆる生物が混じり合い文化を生む、汀」というお店のコンセプトや、北野坂に面した路面店であることから、プライベートとパブリック、内と外に強い境界をつくらず、北野坂を含めた街の一部になり、街のあらゆるものがそこで混じり合う汀的広場を企てた。
立体交差する空間構成
広場に面してステージにもなる階段と踊り場があり、そこに座って棚にある本を読んだりすることもできる。階段をさらに上がるとロフト空間があり、店全体を俯瞰できる。奥には大人が入ることが困難な小さな部屋があり、そこで密談したり、窓から厨房で働く人が見えたりする。ロフト下はワインセラーになっていたりと、いろいろな人のいろいろな行為が行われる空間が立体的に交差している。
床から隆起したカウンター
カウンターは床と同じ素材(モルタル)でつくり、凸凹の塊が床から隆起したようにつくった。
部分的に斜めになっていたり、段々になっていることで、取り付く島ができ、周りにいろんな物や人が集まりアクシデントが起こるカウンター。
縦にも横にも揺らぐ棚
お店の壁にとりつく棚板には多数の異なる点をシームレスに繋げることができるシグモイド曲線(生物の神経細胞が持つ性質をモデル化したもの)を使い、横(平面的)だけでなく縦(立体的)にも揺らぐ汀棚をつくった。